恋に堕ちたら




私だけ先に休憩を取る訳にもいかないので、だから再び席に着く。



先程の仕事の続きをしながら、こっそりと隣の彼の横顔を見詰めた。



真剣な表情で画面に食い入る佐藤さんは、物凄く真面目な人なんだと思う。



だからついつい見惚れてしまう。



「あのー、どうかしましたか?」



その声で我に返る。



「いや、あのー、真面目くんなんだね。佐藤さんって」


「………」



自分でも、何言っちゃってんだろ?なんて思いながらそれとなく私もキーボードに手を伸ばす。



佐藤さんは少し首を傾げ訝しげに私を見たけど、すぐに目の前の画面に目線を戻した。



あーあ、私は何をしてんだろ?