恋に堕ちたら




「先輩、そんなに考え込むことないんじゃあないですか?」


「……」



飯塚ちゃんはそう話しながら私の隣を、やや軽い足取りで歩いている。



電車を降りて、家まで帰る道筋。



さっきまであんなに酔っぱらっていた飯塚ちゃん。そんな飯塚ちゃんが普通に会話している。



それって、どうして?


もしかして、酔った振り??



何となく腑に落ちないけど、とりあえず自力で歩いてくれるから、あんまりとやかく言いたくない。


でも……。



「飯塚ちゃん、もう酔いは覚めたの?」


「えっ?あっ、うん。覚めちゃいました」



エヘヘ…。なんて白々しく笑う辺り、きっと何か計算があったのかも。



「それにしても、佐藤さんもこの沿線に住んで居るんですね。

って事は、先輩、狙い目じゃあないですか?」



『狙い目』って何の話しをしてるのよ。飯塚ちゃん!?


とにかく、飯塚ちゃんには言いたいだけ言わせといて、私足早に部屋に急いだ。