午後の仕事が始まるとすぐに上司から声が掛かった。
「蒼井、ちょっといいか?」
私は呼ばれた上司の元へ足を運ぶ。
するとそこには派遣社員の人が上司とともに立っていた。
「紹介する。
こちらは佐藤 祐(サトウ ユウ)君。で、これが佐藤君をサポートする蒼井奏(アオイ カナデ)」
上司が隣にいる彼を私には紹介する。
って、私の事、今『これ』呼ばわりしましたよね!!
なんとなくムッとしながらも、佐藤さんが目の前にいるからあらかさまに上司に文句も言えない。
私が何となく黙り込んでいると、佐藤さんの方から「どうも……」なんて声が聞こえてきた。
だから私も「よろしくお願いします」なんてそれ一応に頭を下げた。
上司は上司でそんな私達を見て、何となくご満悦のご様子。
なぜだか分からないが、そんな上司を見ていると無性に腹が立って来る。
「ほら蒼井、眉間にシワが寄ってる。シワが増えるぞ。
佐藤君、蒼井はこう見えてもう三十路も越えたおばさんだから気を使わず使ってくれ。まだ独り身だし……」
「………」