「はい、なんですか?」


そう言えば、この台詞前にも聞いたな。なんて思いつつ佐藤さんの問いに返事する。



まぁ、今更何を言われても驚かないと思うけど、

ただ、『聞いてもいいですか?』なんて言っといて、佐藤さんはなかなか疑問を口にしない。



その疑問、そんなに言いづらい事なのかな?



私はその疑問に答えられる?



しばらく沈黙が続いていたが、意を決したのか、佐藤さんはやっと言葉を発し始めた。



「あのー、もし間違ってたら物凄く蒼井さんに悪いような……」



あーー、前置き長いな。結構焦れったい奴だな、佐藤さん。



私はそれでもしばらく黙って彼の話に耳を傾けていたが、一向に本題には入らない。



一体彼は私に何を伝えたいのだろう?



彼の話を聞いているうちに、段々と苛々してきた。


男ならこう、ズバッと物事をはっきり言いなよ!!



「あのさ、佐藤さん、何が、言いたい訳?」



気が付けば私の口は勝手に言葉を発していて、


そして、私のそんな台詞に驚いた佐藤さんは、一瞬全ての動きを止めた。



そして、



「あのー、蒼井さんは奥田課長と付き合っているんですか?」