恋に堕ちたら



何とか駅まで辿り着いた。



その間、飯塚ちゃんは寝ずに歩いてくれた。



って、本当にこんな人居るんだ。なんて思う反面、飯塚ちゃんの底知れぬ得たいの知れなさに驚きは隠せない。



まぁ、ただ者ではのと常々思っていたいたけれど、ここまでとは思いも寄らなかった。



駅に着き、いつもの様に改札を潜る。



飯塚ちゃんも私の後を着いてくるから、何となく安心する。




「ねぇ、先輩。あれって佐藤さんじゃあないですか?」


「え?佐藤さん?

それより、寝ないでよね!寝たら置いてくからね!!」



少し強めの口調でそう言えば、飯塚ちゃんは渋々「へい……」なんて返事をし大人しくなる。



本当、世話の焼ける後輩を持つと苦労するよ。



「はぁー……」


トホホ……。なんて心の中で思いつつ、私はまた知らぬ間にため息を溢していた。



すると、



「蒼井さん、何回言ったら分かるんですか?ため息吐いたら幸せ、逃げちゃいますよ!」