「って事で、佐藤さんと先輩に乾杯!!」
「ねぇ飯塚ちゃん、大丈夫?飲み過ぎじゃない!?」
赤ワイン片手に彼女はそう言うと私の制止も聞かずグラスワインを一気に飲み干す。
あーあ、飯塚ちゃん。もう人の話聞いてないでしょう!?
もしかして、もう酔っ払い?
私はそんな飯塚ちゃんを尻目にちびちびともう泡も無くなったただ苦いだけのビールを口にした。
あーあ、わたしも飯塚ちゃんみたいにお酒が飲めたらな。そして、言いたい事が飯塚ちゃんみたいに言えたら、もう少し楽に生きれるのかな?
それから飯塚ちゃんは、へらへらしながらもまたワインを頼みそして目の前にある料理を美味しそうに口に運んでいた。
「先輩、もう食べないんですか?」
「た、食べるけど!」
「飲み会ここでいいですよね?料理も美味しいし、お酒も種類あるし……」
「そ、そうだね……」
私は酔っ払っていても、無駄にしっかりしている飯塚ちゃんに感心した。
こうやって飯塚ちゃんとふたりっきりで飲みに来るのは初めてだけど、何となく飯塚ちゃんの生態をかいま見た気がした。


