「今、『なんで佐藤さん?』なんて思ったでしょう?」
ギクッ。
飯塚ちゃんの一言があまりにも図星過ぎて、私の口からははまたまた言葉が出てこない。
飯塚ちゃんって時々鋭い事、さらりと言うんだよね。
「えっ?もしかして図星でしたか!?
先輩、物事を簡単に考え過ぎです。もう少し捻りましょうよ」
「………」
って、飯塚ちゃん、当てずっぽ?
はぁー、私、飯塚ちゃんにもからかわれてるのかな?
なんか『先輩』って呼ばれてるけど、最近形だけになってきてるみたい。
「でも、佐藤さんって優良物件じゃあないですか!?
まぁ、私達より確実に歳は下だと思いますけど。
先輩ももう三十路も過ぎた事だし、年下もありじゃあないですか?」
グサグサと胸に突き刺さる台詞を飯塚ちゃんは簡単に言ってくれる。
確かに、もう三十路に突入してるし、選ぶ範囲も狭まって来る。
年上ばかり狙っていても、もう私より年上で残されてるのは何かしら問題あり?って人が多そうだし、飯塚ちゃんの言う通り年下も視野に入れなくてはいけない年頃なのかもしれない。
でも、でもね、年下って、どーなのよ!?


