恋に堕ちたら




今までは佐藤さんが居る手前我慢してたけど、さすがに歳の事を言われると腹が立つ。



気にしてる訳じゃあないけど、でも私だって微妙なお年頃だったりする訳だし。



「やっといつも通りの蒼井に戻ったな。
なんか、言い返さない蒼井相手だと、こっちも疲れるよ」


「………」



もしかして、いや、もしかしなくても、私達は互いに言い合いをしてないとストレスが貯まるとか。



妙な所で意見が一致してるのが分かると、それだけでなぜか益々苛々してくる。



「まぁ、ひとまずその話は置いといて、

佐藤くんの歓迎会をしようと思うんだが、蒼井、おまえが幹事やってくれないか?」


えーと……。


「はい?」


「は?聞こえなかったか?佐藤くんの歓迎会。幹事は蒼井」


「………」



いやいや、勿論聞こえていましたとも。


ただ、仕事中に呼び出されるからてっきり仕事の事で失敗とかしたかと思ってましたよ。



それなのに『佐藤くんの歓迎会』って。



「あのー、私より適材の人が居ると思うんですけど」


「ん?誰??」



何となくまた面倒な事を押し付けられそうだったので、私は飯塚ちゃんを指名した。