恋に堕ちたら




飯塚ちゃんは何が言いたいんだろ?



いつも歯に衣着せぬ言い方なのに、今日はいつもと違う気がする。



まぁ、いくら飯塚ちゃんでも、言いづらい事はあるからね。私一応先輩だし。



「おう、お前らここに居たか」



二人きりしかいない屋上で、なぜか私達以外の声が聞こえた。



その声に振り返ると、なぜか上司がニヤニヤしながらこちらに近付いて来た。



「あっ、奥田課長。どうしたんですか?先輩を探しにでも来たんですか?」


「いや、喫煙所に入れなくてね。って、相変わらず飯塚は偉そうな口振りだな」


「………」



そんな悪態をつきながらも、飯塚ちゃんの隣に並び上司も胸ポケットから煙草を取り出す。



煙草に火を着け吐き出される煙を見ているとそんな私に気がついた上司が声を掛けてきた。



「蒼井は煙草吸わないのか?」


「えっ?」


「禁煙中か?あんま我慢すると身体に悪いぞ」


「………」



いやいや、私禁煙中どころか煙草吸わないし、勝手に吸う人間にされてるし。




「奥田課長、先輩は喘息があるから煙草なんか吸いませんよ」