ば、罰金んて…子供じゃああるまいし。



隣に座る彼の横顔をまじまじと見詰めると、彼はその視線に気が付いてる筈なのにしれっとした態度でこう言った。



「手止まってますよ。仕事してください!!」



むむっ!?



今回は彼の方が上手だったみたい。



佐藤さんにそう言われてしまうのはなんとなく腑に落ちないけど、でも仕方ないかな。



渋々だけど、私も仕事に取り掛かる。



真剣にパソコンの画面を見詰める彼の横顔を時々チラミしながら、私は仕事以外の事を考えてた。



なんで彼は『ため息』にこだわるんだろ?


私、そんなにため息ばかり吐いているのかな?



考え過ぎてしまうからなのか、再び私は無意識にため息を落とす。



佐藤さんはそんな私に気も止めず仕事に集中してるみたいだから何も言って来ないけど。



なんとなく気分を変えたくて、私は自分の席を立ちトイレに向かった。