「だ、大丈夫?みんな心配してるよ」

俺は、中西に運ばれて千紗に付き添われて保健室に来たらしい。

「お前やっぱ出んのやめろ。体育祭なんか出んな」

「なにそれ。なんで斗真体育祭出ちゃいけないの?
 今日倒れたから?
 そんなのひどいよ」

「お前、自分の彼女のこいつに言ってもなかったのか。
 俺なんかに言うのより先に蛙麻実に言えよ」

「うん。
 ごめん中西。
 今まで黙ってて。
 俺、体の中に腫瘍があるんだ」

俺の話に千紗は驚き言葉を失ったようだ。


俺は、その言葉を最後に早退した。