《1》病
「あの~。神矢先輩いらっしゃいますか?」
ある日、部活の後輩が俺を訪ねてきた。
その子は、クラス全員が注目しているところで俺の方を向いて
「好きです」
と言った。
俺とクラスのみんなは少し固まった後、俺の事をはやしたてた。
だが、俺は、そんなことに動じず
「俺、彼女いるからごめん」
とはっきり言った。でも、その子はあきらめない。
「浮気でもいいので」
俺は頭にきて
「俺、そういうのマジでむかつくんだけど」
と言い捨て教室を出た。
そして、後から千紗が追いかけて来た。
「いくら私の前だからってきつく言いすぎなんじゃないの。あの子泣いてたよ」
「いんだよ。俺あいつみたいな人嫌いだから」
千紗は、俺を追いかけるのをやめて教室へ戻った。
俺が教室へ戻るとその子はまだいた。
「あの。保健の先生が前の検査の事で呼んでました」
そう言ってその子は教室から出て行った。
次の授業が終わり俺は保健室へ向かった。