凪とスウェル

不思議なもので、隆治が島に来てからというもの、あたしはみるみるうちに元気になっていった。


顔色も良くなり、昔のすずに戻ったと、隆治はすごく喜んでくれた。


そうなってくると、いつまでも家でダラダラするわけにもいかないので、あたしは本土で就職活動を始めた。


何社か探していると、とあるメーカー製品の販売代理店で、新卒の子が辞めて空きがあるという会社が見つかり、そこに採用が決まった。


新卒の子が辞めてしまったと聞いて、もしかしてとんでもない職場なんじゃ…と不安がよぎったけれど。


辞めた女の子は、いわゆる五月病だったらしい。


営業所自体はさほど人数もおらず、あたしは営業補佐の仕事に就くことになった。




あたしの仕事が始まると、平日休みの隆治とはすれ違いの生活になっていた。


あたしは土日休みだけど、隆治はそうじゃない。


それまでは休みのたびに街に繰り出して、デートをしていたのに。


平日もあたしの方が先に仕事が終わるので、隆治の家の前を自転車で通っても、いつも明かりは消えていた。