凪とスウェル

その日の夕飯は、それはもうかなりのご馳走だった。


去年の夏もすごかったけど、今日はお寿司も注文したようで、本当に豪華だった。


ついさっきまで全然食欲が無かったのに、隆治がいてくれるとなぜか沢山食べることが出来た。


東京からまだ荷物が届いてなかった隆治は、その日と次の日、おばあちゃんの家に泊まることになった。


ただ前回と違うのは、隆治はあたしの部屋の隣ではなく、一階の和室に寝かされていた。


なんだかあからさまなので、それが妙に恥ずかしかった。


おばあちゃん達がいるんだから、そんなことするはずないのに…。


でも確かに今の隆治なら、夜中にこっそりあたしの部屋に来てもおかしくないかもって、ちょっぴり思った。




東京から荷物が届くと、隆治はおじいちゃんの家での生活が始まった。


しばらくすると、島のパン屋に就職が決まり、隆治はそのパン屋さんで働き始めた。


オープンが朝の9時からだから、前の店ほど早い出勤じゃないからラクだと言っていた。


定休日の月曜以外にも、平日にもう一日休める週休二日のお店なので、隆治が休みの日は必ずと言っていいほど会ってデートをした。