凪とスウェル

すず…。


次はいつ会えるだろうか。


続けて休みなど、ほとんどとれないパン屋だ。


だから次に会う約束もしてやれない。


すずが動けないから、俺が行くしかないのに。


行ったところで、せいぜい一泊だろう。


またゆっくりデートも出来ないよな。


少しの時間だけ会って、こうして抱き合うしか出来ない、そんな関係になるのかな。


それですずは幸せだろうか。


これから先のことを考えると、ひどく胸が痛い。


このまま時が止まったらいいのに。


こうしてすずを抱きしめて。


毎晩安心して眠れたらどんなにかいいのに…。


すずは疲れ果てたのか、俺の腕の中で既に眠っていた。


すず…。


早く元気になれ。


あの島で暮らせば、きっとすぐに良くなるよ…。


早く治して、俺のところへ帰って来て。


そうしたら、もう絶対に。


二度と、離したりしないから…。