凪とスウェル

すずの背中に腕を回し、そっとホックを外すと、ゆっくりとそれを剥ぎ取った。


美しい上半身が現れ、俺はハッと息を呑み、しばらくそれに目を奪われた。


高3の夏、初めてすずを抱いたけど。


あの時のすずは終始ガチガチに緊張していて、最後まで身体に力が入っていた。


そして、今夜も。


あの時とさほど変わらない。


本当にあの日以来、誰にも触れさせていないんだと思った。


すずを誰にも奪われなくて良かった。


そんなの考えただけで、死にそうだ。


今思えば、よくこの手を離すことが出来たものだと思う…。


すずは恥ずかしさからか、前回同様、身体を隠そうとする。


そんなすずの腕をそっと広げて優しく押さえたまま、俺はすずの上半身を唇で愛撫し続けた。


前はほとんど聴けなかったけれど、今夜はすずの熱い吐息が漏れる。


雨にかき消されてしまうくらいの、小さな声だけど。


感じるすずが、可愛くてたまらなかった。