凪とスウェル

母さんにそう聞かれて、あたしは返す言葉を失っていた。


「んー、わかんない…。

全然自覚症状なかったから…」


あたしの言葉に、母さんが呆れた顔をした。


「腹膜炎も起こして、あと数時間遅かったら死んでたかもしれないのよ?

自覚症状ないって、どんだけ鈍いのよ!」


母さんの言うことはごもっともなワケで…。


なんだか情けなくて、ふぅとため息をついた。


「でも、私も悪いのよね。

実は母さん、随分前から気になってたの。

あんたが大学に入ってすぐの頃からね。

顔色悪いし、痩せたなって思ってたのよ」


「え、そうなの…?」


「うん…。

お父さんは自炊なんて出来ないし、あんたもそれほど出来ないじゃない。

だから食生活のせいかなって思って、軽視しちゃってたのよね」


あたしもそれは自覚があった。


食生活が乱れてるなって。


「でも、きっとそれだけが原因じゃなかったのね」


「-というと?」


「あんたってさ、生まれは東京だけど。

島に引っ越したことで、都会の生活が合わなくなっちゃったのかもよ?」