凪とスウェル

「すぐ振られるってわかってるくせに、女子はみんなあの笑顔にやられるんだ。

ーで、必ず泣きを見る」


「なんか、どうもそうらしいね」


確かに、ハル達から前情報を聞いていなければ、気を許してしまいそうな笑顔だったわ。


「アンタがターゲットにされて、どうするかなと思って観察してたんだけど。

アンタ、まったく相手にしねーんだもん。

見てたら、面白くてさ」


何よ、コイツ。


面白がってたの?


失礼しちゃう!


「デートの誘いを、レモンの害虫駆除で断るヤツなんて初めてだったし。

それ以上にもっとすごかったのは、あの眉毛だ」


「あー…、あれはちょっと、言い過ぎだったよね?」


「いや、あれはみんなが思ってたことだ。

でも、誰も口に出して言わなかった。

それをアンタがあっさり言ったから、それでみんなあれだけ拍手をしたってわけだ」


うぅ~。


なんか恥ずかしいんですけど。