凪とスウェル

もうそこからは。


仕事にちっとも身が入らなかった。


すずが心配で、気になって気になって仕方がなかった。


右京が言っていた言葉を思い出す。


失ってからじゃ遅いんだって…。


どうしよう。


すずにもしものことがあったら…。


俺、これからどうやって生きていったらいいんだよ…っ。


あぁ、どうして。


どうして俺、高3の2月に、すずと別れてしまったんだろう。


誰よりも、一番大切なのに。


事故の責任を取ることしか考えてなかった。


全然わかってやれてなかった。


すずのつらさや、苦しみを。


再会してからずっと思ってた。


すずの目に力がなくて、やけに細くなったなって…。


既に病気だったのかもしれない。


すず…。


どうしようもなく怖いよ。


じいちゃん…。


頼む。


すずを。


すずを助けてくれ…っ!