凪とスウェル

「はい」


『隆治?』


「どうした?右京。珍しいな」


『隆治。お前、落ち着いて聞けよ』


「え?なに?急に…。どうした?」


なんだろう。


なんかイヤな予感がする。


『さっきサエから電話があって。

すずと一緒にいたらしいんだけどさ。

すず、突然倒れて、救急車で運ばれたらしいんだ』


「えぇっ?」


すずが救急車で?


ど、うして…?


『意識はあるらしいんだけど、これから緊急手術らしくて。

すず、お前には連絡しないで欲しいって言ってたらしいんだけど。

でも、そんなわけにはいかねーからな。

それで俺が勝手に電話したんだ』


そんな…。


すず…!


「一体、なんの病気なんだよ…」


出した声も、スマホを持つ手も、勝手に震えてしまう。


「それが、ちょっとよくわかんねーんだ。

サエも取り乱してて。

俺、仕事が終わったら病院に行くつもりだから、お前も来い!」


右京の言葉に、頭が真っ白になった。