凪とスウェル

「ここ、俺のお気に入りの場所なんだ。

よく配達の帰りに寄ったりしてる」


「へぇ…」


そんなお気に入りの場所に、あたしを連れて来て良かったのかな?


彼女が知ったら、どう思うだろう?


彼女とも…、ここに来たりしてるのかな?


まぁ、どうでもいいことだけど。


「なぁ」


「ん?」


「あれ、面白かった」


「何が?」


「五十嵐の件」


「あー…」


あれか。


あたしは、かなり恥ずかしいんだけどね。


「俺、前からアイツが大嫌いだったんだ。

女とっかえひっかえするし、軽いし」


五十嵐が教室に来た時、確かに八神はすごくイヤそうな顔をしていたけれど。


大嫌いだったのか。