凪とスウェル

隆治はその日以来、学校には来なくなった。


出席日数は充分足りていたし、すぐに2月に入って自由登校になったから、特に問題はないみたいだった。


彼女のご両親は夫婦でパン屋を営んでいて、昼間は付き添いも出来ないから。


隆治は毎日のように病院に通って、彼女の身の回りの世話をしているようだった。


そうしないと不安で押し潰されてしまいそうだったんだと思う。


罵倒されようがどうされようが、それでも彼女のそばにいた方が、自分自身が救われたんだろう。


アイツ、ああ見えて結構頭が良くて、本当は大学受験を控えてたんだけど。


結局受験はしなかった。




お前がいくら電話してもアイツと携帯が繋がらなかったのは、


ほとんど病院に行っていて電源を切っていたからだ。


俺ですら繋がらなかったから。




そして、ついに。


あの日が訪れたんだ。