凪とスウェル

本当だったんだ…。


隆治。


どうして…?


どうしてそんな悲しそうにあたしを呼ぶの?


「隆治。あたし、ここにいるよ?」


ねぇ。


一体、どんな夢を見ているの…?


なぜ、あたしの夢を見るの?


隆治、お願い。


何か言って。


あたしを呼ぶ理由を教えて…。


思わず隆治に手を伸ばしたその時。


隆治の目が突然パッと開いた。


視線が絡み合い、ドクンと心臓が跳ね上がる。


隆治は少し怖い顔をしながら、あたしをじっと見つめている。


彼の綺麗な唇は、なぜか小刻みに震えていた。


「すず…っ」


そう呼ばれたかと思ったら、あたしは隆治に腕を引かれ。


そのままぎゅっと抱きしめられた。