凪とスウェル

隆治。


どうしてこんなところにいるの?


これからもあたしと隆治は、こうやって二人で会うの?


だけど、近づけば近づくほど。


あたしはなぜか寂しくなる。


どんどん苦しくなっていく。


会えて嬉しいはずなのに。


ラクになれると思っていたのに。


それなのに、会えなかった頃より、今の方がなんだか苦しいの。


どうして…?


ふと視線を隆治に向けると、隆治は目を閉じていた。


「隆治…?」


呼んでみるけど、返事がない。


「隆治、寝ちゃったの?」


どうやらぐっすりと眠ってしまったようだ。


あたしはそっと、夏用の掛け布団を隆治のお腹に掛けた。


思わずため息が漏れてしまう。


あたしがこんなに思い悩んでるのに、気持ち良さそうに寝ちゃってさ。


まぁ、寝ちゃったんなら、しょうがない。


あたしが隆治の布団で寝ようか。


そう思って立ち上がった時だった。