凪とスウェル

「へぇ…。ここがお前の部屋かぁ…」


「うん、そう。ほとんど荷物は東京に送ったから、何もないけどね…」


「あ、この窓だよな?俺が石を投げた窓」


「そうそう。そこの窓」


初日の出を見に行こうって、隆治があたしを起こしに来たんだよね。


さらっと思い出を口にする、そんな隆治がちょっぴり憎たらしい。


隆治はあたしの敷きっ放しの布団に遠慮もなく座り込むと、缶チューハイを手にした。


あたしも向かい合うように座って、缶を手にした。


「じゃあ、乾杯」


あたし達はしばらくおしゃべりをしながら、何本か缶を開けた。


「お前、全然酔わないよなー。顔色一つ変わってない。酒強いのか?」


「うん。わりと強いみたい。おばあちゃんに似たのかな?」


「ははっ。そんなところまで、キヨさん似って」


そんなところまでとは、一体どんなところまでなのさ。


「ねぇ」


「ん?」


「いいのかな。あたし達。

こんなふうに二人で飲んだりして」


あたしの問いに、隆治がきょとんとする。


「え?なんか問題?」


間抜けな顔の隆治に、口に含んでいたお酒を吹き出しそうになった。