凪とスウェル

隆治が不思議そうに目を見開く。


「右京に何か言われたのか?」


「ううん。そうじゃないんだけど。

片岡君があたしの名前を呼んだ時にね、右京君がすごく驚いてたの。

あと、出身地も聞かれたんだよ。

それで思ったの。

もしかして、隆治があたしのことを彼に話していたのかなって…」


あたしの言葉に、隆治が首を傾げる。


「えー?

いや俺、女子数人に告白された時に、島に彼女がいるって言って断ってたんだ。

それを右京に聞かれたことがあって、よくそのことをネタにからかわれたけど。

すずの名前までは言ってないよ」


「ふぅん…」


そうなんだ…。


じゃあ隆治とは無関係の、全く別の女性を連想していたのかな?


まぁ、それも充分考えられるよね。


すずって名前の子は、きっと他にもいるだろうしね…。


「よーし。メシも食ったし。

まだ回ってないところに行こうか」


「うん」


食器を返すと、あたし達はまた遊園地を歩き回った。