凪とスウェル

『すずちゃん、ごめん。

生理痛がひどくて、動けないの。

まさか今日に重なると思わなかったよ。

すごく残念だけど、今日は行けそうにないです。

三人で楽しんで来てね。

本当にごめんね』


こ、来れないって!


嘘でしょー!


あぁ、そう言えば千春ちゃんは、月に一度のが重い人だったよね。


なんで今日に限って?


「千春さん、なんて?」


「う…ん。それがね、今日は体調が悪くて来れないみたいなの。

三人で楽しんで来てね、だって」


「うわー。片岡に続いて、千春さんもかよー」


さすがの隆治も苦笑いだ。


「どうする?千春ちゃんが来ないなら、帰る?」


あたしが問いかけると、隆治はストローに口をつけて、チューッとジュースを吸い込んだ。


「う…ん。

でも、せっかくフリーパス買ったしさ。

どうせなら、全部乗って帰りたい」


「え…?」


「あ、イヤだったらいいんだけど…」


「えっ、イヤじゃないよー。

遊園地、すっごい好きだし」


「そうか。じゃあ、決まりな」


隆治は目を細めて、にっこり笑った。