凪とスウェル

あ、ヤバイ。


隆治、本気で怒ってる。


あたしはムクッと身体を起こし、拗ねて体育座りをしている隆治にそっとしがみついた。


「ごめ、ん。

ごめんね。

隆治の気持ち、ちゃんとわかってるから。

あたしだって、したくないわけじゃないの。

ただ…。

やっぱ、ちょっと怖くて…」


まさかこんなに早く自分にこんな機会が訪れるだなんて、これっぽっちも思ってなかったんだもの…。


ふぅとため息をついたら、隆治があたしの腕に手を置いた。


「ごめんな…。

無理言ってるのは、わかってる…。

でも。

明日から会えないと思ったら、やっぱそうするしか、気持ちが落ち着きそうにないんだ…」


「隆治…」