凪とスウェル

「もしすずが俺のことを好きって言ってくれたら、その時はゆっくり時間をかけて、少しずつそうなっていきたいって思ってた。

でも…。

もう時間がないから…」


隆治の言葉に、あたしの気持ちがゆらゆら揺れる。


隆治の表情は、今まで見たどんな隆治よりも真剣だった。


「次に会うまでなんて待てない。

やっとすずの気持ちが手に入ったから。

お前はどうか知らないけど、俺はもう一年近く待ったんだから…」


あぁ…。


どうしよう。


頭の中がパニックだよ。


「で、でもさ。

応じた途端、あたしのことイヤになったら?

やることだけやってサヨナラなんて、あたしはイヤだよ?」


ぎゃーっ!


あたしったら何言ってんだか!


絶対に気が動転してるよ…。


「バッ。バカか、お前!

俺を五十嵐と一緒にするなよっ」