凪とスウェル

あたしがそう言うと、隆治はゆっくり身体を起こした。


膝を抱え、ふぅとため息をつく隆治。


「やっぱ、男と女って違うんだな…」


「え?」


「いや。

多分、すずがしっかりしてるんだ。

見た目よりずっと真面目だし、奥手だもんな…。

もちろん俺は、そんなすずだから、好きになったんだけどさ…」


隆治が急にそんなことを言うから、思わず頬を両手で押さえた。


「すずは、知らないんだよ」


知らない…?


「何…を?」


あたしがそう聞くと、隆治はなぜか少し口を尖らせて。


小さな子供のような顔をした。


「俺が…。


どれだけ理性を保ってたか…」


え…?