凪とスウェル

「隆治、そんなことない!

また絶対会えるから」


「……。

でも…、東京とここじゃ遠いだろ?

高校生の俺らが、どうやって会うんだよ…。

会いたいけど、会えないだろ?」


少し潤んだ隆治の瞳を見つめながら、あたしは隆治のシャツをぎゅっと握りしめた。


「隆治。

3月まで待って。

あたし、東京の大学へ進学するから」


「え?」


あたしの言葉に、隆治の動きが止まる。


「あたし、絶対合格してみせるから。

卒業したら、すぐに東京へ行くから。

そうしたら、ずっと一緒にいられるでしょう?」


「ホントに?」


隆治の問いに、あたしはゆっくり頷いた。


「あたし、隆治のそばにいたい。

隆治がいるところが、あたしの居場所なんだから…」


「すず…」