凪とスウェル

「なんだよー。言ってくれよ。

言ってくれてたら、速攻付き合ったのに…」


「えー、だって…。

振られるの怖かったんだもん」


あたしの言葉に、隆治がクスッと笑う。


「バカだなー。

俺も、すずも…」


ホント、馬鹿だよね。


一緒にいることが当たり前になってて、大切なことを伝えるのに時間をかけ過ぎたんだね。


「せっかくすずの気持ちを手に入れたのに…。

もう俺、島に来れないよな…。

俺ら、もう会えないのかな…」


苦しそうに言葉を紡ぐ隆治。


あたしは思わず、隆治から身体を離した。