凪とスウェル

「すずは…?」


「え…?」


「すずは俺のこと、どう思ってる?」


真っ直ぐに見つめられて、急激に頬が熱を帯びる。


今日の隆治は表現がストレート過ぎて、どう対応していいかわからない。


「あの…、えと」


モジモジと目を泳がせていると。


「言って…」


隆治がやけに艶めいた声で言った。


きゃー。やめてー。


ただでさえドキドキしてるのに、そんな強烈なフェロモン出さないでー。


心臓が本気でヤバイんだから。


「あたし…。

あたしも、隆治が好きだったよ。

ずっと。

ずっと、好きだった…」


あぁ~!


ついに、言っちゃった…。


ハンパない息苦しさの中、出来る限りの精一杯の思いを込めて告げれば、隆治は目を細めて笑って。


あたしをそっと引き寄せた。


「なんだ。

両思いだったんだ。

だったら、さっさと言っとけば良かった。

そうしたらもっと早くから、こうやってすずを抱きしめられたのに…」


「隆治…」