凪とスウェル

トクンと、心臓が大袈裟に音を立てる。


言われた言葉が噛み砕けなくて、思わず隆治の顔を見上げた。


「もう、随分前から…。

初対面の時と、二回目に会った時のギャップにやられた…」


「う、うそっ」


信じられなくて、目をパチパチさせていたら、隆治が呆れたようにハッと強く息を吐いた。


「嘘じゃねーよ。

俺、お前と噂になっても一切否定しなかったろ?

そういうので、ちょっとは気づかれてるかと思ってた…」


「え…。

気づいてなかったよ…。

嫌われてはないと思ってたけど、女扱いされてなかったし」


ボソボソと、口を尖らせて呟いてみれば。


「……。

ごめ、ん…」


眉を曲げて、珍しく隆治が素直に謝った。


「噂は俺には好都合だったんだ。

お前に変な男が言い寄って来る心配もねぇし…」


やだ。


隆治もあたしと同じこと考えてたの…?