凪とスウェル

そんなあたしの顔を見て、隆治はきゅっと目を細めて。


「反則だ」


「え?」


「お前が泣くのは、反則…」


せつなそうに言った次の瞬間。


隆治はそっと両腕を伸ばして。


あたしをぎゅっと抱きしめた。


そんな隆治の行動に、一気に心臓が跳ね上がる。


でも、そうしてくれたことが嬉しくて、あたしも隆治の背中に腕を回した。


強く、強く抱きしめ合うあたしと隆治。


隆治の心臓の鼓動はすごく速くて、あたしと同じように指先が少し震えていた。


「すず…」


あたしの耳のすぐそばで、隆治の優しい声がする。


互いの不規則な呼吸が、狭い和室に響いていた。



「俺ね…。




ずっと、




すずが好きだった…」