凪とスウェル

隆治の言葉に、あたしは目を見開いた。


指先がどうしようもなく震える。


それに気づいた隆治が、あたしの手をそっと握った。


「すず。震えてる…」


「だ、だって…。

イヤなんだもん。

隆治に会えなくなるの…。

隆治がいなくなったら、あたしどうしたらいいの…?」


「すず…」


「イヤだよ…、隆治。行っちゃやだ…」


そんなこと言ったって無駄だってわかってても、そう言わずにはいられなかった。


そして気がつけば、あたしはポロポロと涙を流していた。