凪とスウェル

おじいちゃんの葬儀の3日後のことだった。


昼食を食べた後、自室でゴロゴロとしていたら、突然あたしの携帯が鳴った。


画面を見ると、“八神隆治”の文字。


あたしは慌てて通話ボタンを押した。


「はい」


ドキドキしながら、電話に出ると。


『すず…』


か細い隆治の声が、耳に触れた。


「隆治…」


どうしよう。


なんて声をかけていいか、わからない…。


『すず…。

今から会えない?』


「会えるよ。

どこに行ったらいい?」


『ウチに来てくれる?

今、誰もいねーから…』


「わかった。すぐ行くから」


携帯を切ると、あたしは適当に身支度を整えて、自転車に飛び乗った。