凪とスウェル

「隆治。

隆治が生まれてなかったら、あたしと隆治、出会えてないじゃん。

あたしは隆治に会えて、本当に良かったと思ってるよ。

あたしのおばあちゃんも、母さんも、みんな隆治が好きだよ。

もちろん、隆治のおじいちゃんだって…。

だから、消えたいなんて思わないで。

隆治が消えたら、あたしどうしたらいいの？

そんなの…。

そんなの絶対イヤだからね？」


隆治が消えたら、あたし絶対立ち直れない。


それこそ、今度はあたしが消えたくなってしまうだろう。


「むなしくなったり、消えたくなったら、あたしを呼んでよ。

隆治の毒舌の相手できるの、あたしくらいなもんじゃない？

いくらでも毒吐いていいから。

隆治が元気になるまで、あたしいつまでも相手になるから。

ね？そうしてよ…」


隆治は静かに深呼吸すると、ゆっくりと顔を上げた。