凪とスウェル

連れて行かれたのは、八神酒店と書かれた看板のある店の前。


母親がガラガラと扉を開けると、ひとりの男性が立っていた。


いかにもおじいさんを想像していたのに、そこにいた男性は背が高くて、若々しくて。


じいちゃんって呼ぶなんて、なんだか失礼なような気がした。


その人は母親と俺を見て、ものすごく驚いた顔をしていた。


とりあえず上がれと言われて、仏壇のある部屋に通された。


母親は仏壇にお線香を上げて手を合わせると、じいちゃんに俺を紹介した。



この子が息子の隆治です、と…。