無理......?
海くんを見ると、海くんは前を向いたままだった。
「無理なんかしてない」
海くんは前を向いたまま、ははっと白い息をはいて笑った。
「朝は寒いからいいよ、ゆっくり起きな」
私はぶんぶんと大きく首を振った。
「朝も、帰りも一緒にいたい」
下を向きながらそう言って、ちらっと隣の海くんを見ると、
海くんはこっちを向いて、可愛い笑顔を見せてくれた。
学校に着くと、
剣道場へ行く海くんを渡り廊下まで見送って、ひとりで教室に行った。
本当は見たかったんだけど、やっぱり邪魔しちゃいけないと思って我慢した。
教室に入り、しばらくひとりでいると、パラパラと生徒たち登校してきた。
その中に、吉井くんが見えて、
私の隣の席にくると「おはよ」と挨拶してくれた。
愛莉さんと付き合ってから、吉井くんから挨拶してくれることがなかったから、
少し驚いた。
「お、おはよう」
吉井くんは、後ろのロッカーにバッグを置いて隣の席に座った。
あ、ブレスレットが......指輪も......ない.......
「吉井くん......指輪......」
思わず声に出して言ってしまうと、吉井くんは「あぁ」と自分の顔の前に手を広げてから、
私の顔を見て笑った。
「なんか、全部外したらすっげぇー軽くなった。
こんな.....重たかったんだなって思ったよ」



