「相変わらずだね、王子は」


やれやれ、といった感じで呟く柚里奈。


「…うん、ね」


柚里奈に相づちを打ちながら、

神田くんの背中を見つめてみる。


後ろ姿からでも、

かっこいい雰囲気が滲み出てる。


って、誰か言ってたけど。


あたしには、

冷たい雰囲気しか伝わってこない…。


HRの始まりを知らせるチャイムが鳴って、

みんなそれぞれ自分の席に着く。


…彼の席は、あたしの前。