「…だから。可愛かったってこと!」 「っ…え?」 そう言って、 ぎゅっとさらに力強く抱きしめられる。 え、可愛い? 七斗が、今、あたしのこと、 可愛いって、言った? 彼の胸から聞こえるのは、 あたしと同じくらい早い鼓動。 …もしかして、もしかしなくても。 あたしに、 少しはどきどきしてくれたってこと…? 嬉しすぎて、 にやける顔を止められない。 あたしも彼に腕をまわし、 ぎゅーっと抱きしめる。