息を整えてたら、 ぎゅっと抱きしめられた体。 あたしの小さい体は彼の腕に すっぽり収まる。 とくとくとく。 七斗の鼓動が聞こえる。 …あたしと同じくらい、早い。 それが、どうしようもなく嬉しくて。 心地よくて。 自然と目を閉じようとしたとき、 飛び込んできた声。 「…さっきの」 「…へ?」 彼の声が小さすぎて、よく聞こえない。 耳を傾けて、もう一度聞こうとする。 「…さっきの、琴香の言葉。 …めっちゃやばかった」 「え…?」