「…っ待って、七斗…っ」 頭で考えるよりも先に、 あたしは七斗を追いかけていた。 「…七斗っ! 待って…お願いっ」 教室を出て、 見えた背中に何回も声をかけると、 七斗の足が、ピタリと止まった。 「…っ七斗…違うの! さっきのは…」 「…言い訳なんて聞きたくねえよ!」 「…っ」 低い低い、 今まで聞いたこともないような声に、 あたしの体はビクッとしてしまう。