ぐちゃぐちゃの中必死に考えていた脳に

突然聞こえてきた声。


顔を見なくても誰か分かる。

あたしが、大好きな声…。


「…ななと…」


今の、見られた…?


「…何、やってんだよ」

「…っ」


誰か聞いてもわかるような、低い声。


いつもとは違う声に、

見られてたんだ、と分かる。


「黙ってんじゃねえよ…」

「っなな…」


呼び止める声を無視して、

七斗は、教室を出て行ってしまった。