「…琴香、俺ーー…」 「…わっ⁉︎」 蒼海が何か言いかけた瞬間。 あたしに何が起こったのか。 …何もない床につまずいてしまった。 転ぶ…! そう思って覚悟したにもかかわらず、 痛みはいっこうに来ないかわりに 目の前の彼の胸に飛び込んでしまった。 ぽすっと音とともに、 蒼海の胸に体が収まる。 懐かしい香りに、少し。 少しだけ。 胸が音を立ててしまった。