その声に、 胸が音を立てたのは言うまでもなく。 とくとくとく。 胸の鼓動が、さらに速くなる。 彼の長い指が、 あたしの髪に絡まるだけで 顔の温度が上昇していくのが分かる。 「…俺、琴香の髪好き」 「…っ」 …どくん。 甘い声で、耳に囁かれて。 あたしの心臓が 騒がしくならないわけがない。