つい、蒼海に顔を向けてしまった。


「…あ、こっち向いた」


笑いながら、そう言う蒼海。


あー。つい、向いてしまった…。


「…うるさいっ。

てかもう戻ろ! 予鈴鳴るし」

「あー、だな。」


屋上に背を向け、

出て行こうとしたら。


「琴香」

「ん?」


蒼海に名前を呼ばれて、振り返る。