「…ごめんね。わざわざ呼び出して」 「えっ、全然! …嬉しかった、ですし…」 そう言うと、嬉しそうに笑ってくれる。 彼は、ありがとう、とまた笑って 去って行った。 少しぼーっとして、 同じ場所に突っ立っていたら。 「あ、琴香っ」 聞こえてきたのは聞き慣れた声。 「柚里奈ーっ」 「大丈夫だった?何もされてない?」 真剣に心配してくれる柚里奈に嬉しくなる。