御劔 光の風3

「皇帝の血は思った以上に効くだろう?」

やがて痙攣をし始めたサルスにカルサも表情を歪める。

これが本当に正解なのかは分からない、しかしこれしか思いつかなかったのだ。

沙更陣の話で見つけられたのはこの方法だけ、沙更陣の考えもこの方法だけ、それはカルサと同じだった。

魔物や魔族が光に近寄れないのは皇帝の存在を忌み嫌うから、その理由こそ眩しさを感じる程に強い威力を持つ皇帝の血が彼らを縛り付けるからだ。

だからこそカルサは自らの血が効力を発揮してくれると思っていたのだが。

「サルスは…大丈夫なのですか?」

千羅が不安の声を漏らしたように目の前では想像以上の反応を出ていた。

それなりの拒否反応は出るであろうと予想はしていたが、この状況はそれを遥かに越えている。

「あ、あ、あ、あ…あ!」

言葉にならない叫びを発しながら両手で喉を抑えて全身を強張らせ震わせる。

サルスから下りたカルサもその様子を不安げに見つめていた。

弾むように痙攣を起こす姿は見るのも辛いものだが、これしかないのだとカルサは歯を食い縛る。

考えた、サルスが魔物に寄生されていると知った瞬間からずっと方法がないものかと考えていた。

古文書を読み、記憶を呼び起こし、テスタの部屋やオフカルスに着いてからも可能性のありそうな書物を探しては思案したのだ。

唯一希望に繋がりそうな可能性がこれだった。

しかし状況はいいものではない、やはり駄目だったのだろうか。

希望が薄れそうな状況にいてもたってもいられなくなった瞬間。

「阿呆!何をごじゃなことしよんねん!」

まるで光の様に射してきた声は耳を疑いたくなるものだった。

高くて愛らしい独特の訛りは懐かしく聞き覚えのある者。